皆様、こんにちは！元CAのバンビです♪♪
ご好評いただいております（？）CA時代の出来事を面白おかしく紹介しちゃう「CAのロッカールーム」のお時間です。
「CAのロッカールーム」というシリーズなのに「全然ロッカールームが出て来ないじゃないか！」って、そろそろ突っ込まれそうなので、今日はシリーズ第４弾にして、初めてCAのロッカールームがチラッと出てきます♡
CAのロッカールーム第４弾
パイロットが活躍できないオーパイとは？！
LAX（ロス）からのフライトを終えて、ヘトヘトになりながら、CAのロッカールームに戻って着替えていると、知り合いのSキャプテン（機長）からLINE。
「バンビちゃん、おつかれー。次のパリ一緒だね。よろしく」
はいはい。どっから私のスケジュール漏洩してんねんっ？と思いながらも
「よろしくですぅ。パリでご飯行きましょー」とテキトーに返す。
（ちなみにロッカールームのくだりはココしか出てきません、笑）
Sキャプテンは、私が新人の頃まだ副操縦士で、一緒に「チャーターフライト」に駆り出されたことがある。
チャーターフライトとは、定期便が運行していない場所に、旅行会社などが飛行機を貸し切って主催するフライトのこと。
（旅行会社が主催する観光フライト以外にも、官庁などが災害救済で仕立てる場合もある。最近、記憶に新しい武漢から帰国者を運んだのもチャーターフライト）
定期便じゃない地域に行くので、ベテラン乗務員でも初めて行く地域だったりすることが多い。そこでコキ使われるのが、新人や副操縦士。
新人時代の私とS副操縦士が、現地の下調べをしたり、お食事の予約や、観光地に至っては、ツアーガイドよろしく調べてきた歴史なんかも披露した。
その時の縁もあってか、Sキャプテンとは、その後もご飯に行ったり、仕事帰りに飲みに行ったり、会社の中ではまあまあ仲の良い存在。
数日後。
〜パリフライト〜
パリまでのフライトはフツーにこなして、パリでは、Sキャプテンとその他大勢と一緒に「社食」と呼ばれる、クルー御用達レストランへ。
ちなみに、どこの国でも勝手に「社食」って呼んでるレストランが存在して、到着した日は、余力のある人達が「社食」に飲みに行くことが多い。
Sキャプテンは、ベラベラ喋るタイプではないんだけど、その日は久しぶりに私と一緒だったから興奮したのか（？笑）、ただ酔っ払ってたからなのか、なぜか、最近嬉しかったことを話し始めた。
「台風の日の着陸が素晴らしかった」と
お客様からお褒めのお手紙をもらって表彰されたらしい。
子供のように目をキラキラさせて、なんとも誇らしげに話すSキャプテン。
着陸のことをワザワザ、お手紙書く人が居たのも驚きだったけど、普段クールなSキャプテンがキラキラしているのが意外だった。
男の人って案外単純だわ。（←私の感想）
そして、話は飛んで〜
飛行機も飛んで〜
パリから成田までの帰りのフライトもフツーにこなして
今は着陸の数秒前。
前方のスクリーンに機外の映像が映し出されるも、成田は濃い霧のため何も映らない。
風も強くて、機体が左右に大きく揺れる。
CAシートの前のお客様が不安そうにスクリーンを見つめる。
次の瞬間、スクリーンには滑走路が間近に映し出され、直後に機体は滑走路の真ん中に吸い込まれるようにスーッと滑り込んで、1ミリの衝撃もなく緩やかに着陸。
数名のお客様から拍手がもれる。
CAシートの前のお客様が「着陸、すごくスムーズでしたね！機長さんにお礼をお伝えください」と仰った。
もちろん伝えます！！！
今日の着陸担当はSキャプテンだ。
Sキャプテンの誇らしげな顔が思い浮かぶ(^-^)
全てのお客様が降りて、コックピットからSキャプテンが出てきた。
「Sキャプテン！！お客様が着陸すごくスムーズだったって褒めてましたよ！」
と伝えると、
あ、そう。
と釣れない返事をして、制服の上着を取りに再びコックピットに戻って行ってしまった。
？？？
その会話を後ろで聞いていた、もう1人のキャプテンが
「さっきのオーパイだから」と教えてくれた。
あ…察し。
オーパイとは「オートパイロット＝自動操縦」の略だ。
天候や視界が悪い時など、滑走路からの電波を頼りに１ミリもズレることなく着陸をアシストしてくれる精密な自動操縦のシステム。
CAのロッカールーム第４話★おわり
（毎度のお約束ですが、全てフィクションですよー）
CAのロッカールーム★第５話につづく↓↓
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CAのロッカールーム第２話はこちら↓↓
摩訶不思議！CAの靴がなくなる話-CAのロッカールーム（２）
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