皆様、こんにちは!元CAのバンビです♪♪
パリで一番有名な教会はどこでしょう?
シテ島の「ノートルダム大聖堂」やモンマルトルの丘にある「サクレ・クール寺院」また、パリではないですが、島自体が世界遺産にも登録されている「モンサンミッシェル」などは、昔から巡礼地として世界中から多くの人が訪れる有名な観光地です。
ここ「サンシュルピス教会」も、もちろん古い歴史があり、実はパリ最大を誇る「ノートルダム大聖堂」よりも、ほんの僅かに小さいだけで、パリで2番目に大きな教会なのですが、観光地としては、そこまで有名ではありませんでした。
「サンシュルピス教会」の名が世に知れ渡ったのは、ダン・ブラウンの「ダヴィンチ・コード」が出版されてからではないでしょうか?教会側はダヴィンチ・コードの内容を否定していますが、良くも悪くも、サンジェルマン大通り裏手にひっそりと佇む素敵な教会に世界中から人々がやって来るようになりました。
「ダヴィンチ・コード」の映画が大ヒットした時は、まだ駆け出しの国際線CAだった私。
その頃に担当していた路線がちょうどパリだったので、フライトでパリに来る度に、チームの仲間と「ダヴィンチ・コードごっこ」をしに、ここ「サンシュルピス教会」へやって来たものです(笑)
「ダヴィンチ・コード」の中で重要な役割を果たすのがこの
「ローズライン」
教会の床に走るこの線↓↓
This photo of Saint-Sulpice is courtesy of TripAdvisor
あ!!まだ映画を見ていない方、小説を読んでいない方のために、この辺にしておきます。ダン・ブラウンの有名な推理小説で引き込まれる面白さなので、まだの方は是非読んでみてください。
ま、でも「ダヴィンチ・コード」は、あくまで小説です。
他に見所はいっぱいある教会なので、読まなくても十分に楽しめます♪♪
サン・シュルピス教会は、カトリックの教会で、1646年にルイ13世の王妃アンヌ・ドートリシュの命で建設が始まりました。
途中ルーブル美術館やヴェルサイユ宮殿の設計したことで有名な「ルイ・ル・ヴォー」が建設に携わり、一旦、1745年に完成しますが、火災や落雷などにより度々破損されるなどの数奇な運命を辿ります。
最終的に、凱旋門の設計に関わったシャルグランの手によって修復されました。
サンシュルピス教会の中には世界最大級と言われる
パイプオルガンがあります。
余りにも大きくて建物の一部として溶け込んでいるので、一見するとパイプオルガンかどうか分からないくらいなのです。
この↓正面の時計の上の方にある、白い棒がパイプオルガンのパイプなのです。パイプは全部で7,000本以上あるそうです。
This photo of Saint-Sulpice is courtesy of TripAdvisor
歴代の有名なオルガニストたちが演奏してきた、このパイプオルガンは日曜日の10:30頃から行われるミサで聞くことができます!
そして、この教会の最大の見せ場!
それはなんと言ってもドラクロワの壁画です。
フランス革命の混乱で再び損傷を受けた教会を立て直すため、ドラクロワが一肌脱いだのです。弟子たちと12年もかけて、この壁画を描き上げたと言われています。
ドラクロワとは?
19世紀のフランスのロマン主義を代表する画家で、歴史や美術の教科書に載っているので、誰もが一度は見たことがあると思われる、
この絵を描いた人↓↓
『民衆を導く自由の女神』
By ウジェーヌ・ドラクロワ - This page from this gallery., パブリック・ドメイン, Link
こちらは「ルーブル美術館」にあるので、ルーブルに行った時に見ましょう♪♪
ここ「サンシュルピス教会」では、これらのルーブルや教科書レベルの絵画が
なんと!
すべて無料で見られるのです!!!!
入り口のすぐ右側のドームが"ŒUVRE de DELACROIX"「ドラクロワの作品」です。2枚の壁画が丸いドームの天井部分にまで伸びています。壁画は7.5mもあるそうです。
こちらは旧約聖書の創世記からの一場面
「天使とヤコブの戦い」
この戦いに勝利したヤコブが神様から「イスラエル(神をまもる者)」を名乗ることを許され、後のイスラエルの国の語源になったと言われています。
その向かいには(写真が下手ですみません^^;)
「神殿を追われるヘリオドロス」
サイズ感が伝わりにくいですが、この↑↑ドアが普通の大きさのドア。
↓間近に「DELACROIX」の文字がハッキリと見れますよ。
この2枚の壁画に挟まれるように天井には
「悪魔を退治する大天使ミカエル」があります。
今回の旅行では、ボンマルシェ→メダイユ教会→チョコレート通りの流れから、私たちが「サンシュルピス教会」に着いたのは、平日のお昼前。
日曜日に行うような「ミサ」はやってなかったけど、入った瞬間、女性の歌声とオルガンの素敵な音色が聞こえました。
天使の歌声に導かれるように、真ん中にあるネーブ(身廊=教会の内部にある信者席)を覗くと、並べられた椅子に座り、お祈りをしている人たちが見えました。他の観光客も数人やって来て、私たちの横に陣取り、しばらく皆、歌声に聞き入っていました。
さながらミニコンサートのようです。
歌が終わり、椅子に座っていた人たちが順番に前の台の方に集まり、台を囲んで何かしているようでした。
私たちは、教会の内部をゆっくりまわり、ご紹介したローズラインやパイプオルガン、ドラクロワなどを十分楽しんで教会の出口まで来た時、先ほどのネーブでお祈りしていた人たちが数人でなんと!「棺」を抱えて出口の方へやって来ました。
私たちが見入っていたのは、ミニコンサートなんかではない!
「お葬式」だったのです...
一瞬で重苦しい雰囲気に落とされ、天使の歌声を楽しんでいたことを恥ずかしく思い、また死者のご冥福を祈った我々です。
フランス風なのか、その人たちに限ったことなのか良く知りませんが、参列者は皆、普通の洋服を着ており、一見すると「お葬式」とは分かりにくかったです^^;(←言い訳)
ここ「サンシュルピス教会」は誰でも無料で訪れることのできる素敵な教会です。しかしながら、地元の信者の方にとっては、普段礼拝に訪れるだけでなく、きっと結婚式やお葬式を行ったりする生活の一部として、とても神聖な場所でもあるのでしょう。
こんなこともあるんだなって参考にして頂きたく、我々の失敗談を公開いたしました。(失敗と言っても別に騒いだりして迷惑をかけた訳ではないけど。気持ち的な問題...)
サン・シュルピス教会
Église Saint Sulpice
2, Rue Palatine 75006 Paris
01 42 34 59 98
OPEN 7:30-19:30
入場 無料
Saint-Sulpice – Notre paroisse de Paris, sa grande église, ses paroissiens, ses activités