こんにちは!元CAのバンビです。
Q&A : 飛行機でフットレストは使用禁止?
このブログに時々いただくご質問です。
端的に結論から申し上げますと、
「フットレストのタイプや製品、座席の位置、使い方、シチュエーションなどによって使える場合と使えない場合がある」というのが私の回答です。
つまり、シチュエーションによって使えたり使えなかったりするので「この商品なら絶対に使えます!」というのは一概には言えないということです。
ただ、それではせっかく読んでくださっている皆さまも困ってしまうと思います。
そこで、この記事では、国際線の客室乗務員として十数年働いていたCAの経験や、航空会社の公式見解から使用の可否やその理由、どのようなシチュエーションなら使えるのか?代用品はあるのか?などを詳しく解説しますので、ぜひご参考にしてください♪
飛行機で使えるフットレストの代用品を今すぐみたい方はこちら(この記事内に飛びます)
フットレストや子供用の簡易ベッドの使用可否について航空会社の公式見解は?
まずは、航空会社の公式見解を見てみましょう。
<機内でのご利用にあたってのお願い>として使用条件と「その条件を満たしている場合、弊社運行便の機内にてご利用いただけます。」
と書いてあるので、ある一定の条件を満たしていれば利用可能ということになります。
上記の日本航空の利用の条件を言い換えると「使用禁止」となる場合は以下のようになります。
機内でフットレストやJetKidsなどが使用禁止になる場合
- 機体や設備を傷つけたり、動作の妨げになる。
- 正しい位置でシートベルトが装着できなくなる。
- ほかのお客さまの快適性を妨げる。
- 足元をふさぐグッズの場合は、原則として窓側、中央真ん中席以外は使用禁止。
上記以外でも安全上の理由、離着陸時、シートベルトサイン点灯時、また乗務員の判断により使用禁止になる場合もある。
日本航空の見解ですので、他の航空会社では当てはまらない場合がありますし、条件を満たしていても現場で乗務員が使用の可否を判断することもあるとわざわざ明記されています。
ちなみに全日空のページでは「お子様用携帯ベッドの使用について」として下記のように説明されています。
日本航空の方が厳しく決められている印象を受けますが、シートベルトの状況や他のお客様への迷惑にならないことなど書いてあることは大体同じです。
この記事では元CAの経験から上記条件の理由や乗務員が何を基準に判断しているのかを、ひとつずつ説明していきます。
現場のCAは何を基準に判断しているのかを理解していただければ、機内でCAさんに「ダメです!」と言われるケースは少なくなるのかと思います。
(それでもダメです!と言われた時には使用はやめてくださいね)
まず、それぞれの航空会社のページに出てくる「JetKidsやBedBoxとは何ぞや?」と思ったので見たみたら、なんと!!
これです★↓↓
子供用のスーツケースのフタの部分が座席と同じ高さになって、ベッドみたいに使える!という優れもの。しかも、いろんな色があってかわいい!!
結構良いお値段しますが、ご興味のある方はぜひAmazonや楽天から見てみてくださ〜い♪
機内の快適グッズの中には上のようにお子様のベッドになったり、足を乗せられる台だったり、膨らませて使えるフットレストのようなものなど色々あります。
そして種類によっては使えないものもあったりするので、次の章ではどのような種類の「フットレスト」があるのかやそれぞれの使用条件を見ていきたいと思います。
飛行機で使える?快適・便利グッズの種類
飛行機の座席は狭いし、座りっぱなしですので、長時間のフライトはかなり疲れてしまいます。また、ずーっと同じ姿勢でいると血流が悪くなりエコノミー症候群の原因にもなります。
最近では、機内で少しでも快適に過ごせるような便利なグッズがたくさん販売されているのですが、せっかく購入したのに機内で使えないのでは意味がないですよね?
私が調査したところによると、快適グッズとして販売されている「フットレスト」と称されるものは大きく分けると主に以下の2タイプに分類されると思います。
1)床に置くタイプ
2)テーブルから吊るすタイプ
では、それぞれ見ていきましょう。
床に置くタイプのフットレスト
市販のフットレストと聞いて私が一番最初に思い浮かべたのはこちらの飛行機の床に置いて使うタイプのフットレストです。
空気で膨らませるものや折り畳みのものなどがあります。
また、見た目は少し違いますが、先ほど紹介した「JetKids」も基本的には床に置いて使用するためこちらも床置きタイプとなります。
まずはこの床に置くタイプのグッズから見ていきましょう。
再度、説明のために掲載しておきます。↓↓
機内でフットレストやJetKidsなどが使用禁止になる場合
- 機体や設備を傷つけたり、動作の妨げになる。
- 正しい位置でシートベルトが装着できなくなる。
- ほかのお客さまの快適性を妨げる。
- 足元をふさぐグッズの場合は、原則として窓側、中央真ん中席以外は使用禁止。
上記以外でも安全上の理由、離着陸時、シートベルトサイン点灯時、また乗務員の判断により使用禁止になる場合もある。
床置き型のグッズが使用できる座席位置は?
床置きタイプの商品の場合は「4.足元をふさぐグッズ」に該当するので、原則として窓側か中央の真ん中席のみで使用できます。
下記は飛行機の横1列と思ってくださいね。
使用できる座席は、原則◯の付いているA E F Kの席のみになります。
×の席では使えない理由は、例えばBやC席の人がこのグッズを使ってたらA席の人が通路に出られないからです!
緊急時の脱出の妨げになるためと思っている方もいますが、離着陸時や緊急時はそもそも窓側の人も、中央席の人もこちらのグッズは使っちゃダメです。
なぜなら、使っている人自身が脱出できなくなる可能性がありますし、衝撃などで通路に飛んで行ってしまい他の人の脱出の妨げになるかも知れないからです。
離着陸時や緊急時には きちんと上の棚もしくは前の座席の下に「収納」する必要があります。
基本的にこういったグッズは、上空に行ってからシートベルトサインが消灯して、みなさんがお食事を楽しんだり、映画や睡眠をする「水平飛行時」のみ使用ができます。
また、床置きタイプでも下記のようなグッズであれば「足元をふさぐ」ほどではなく、自分より中の人が通路に出る際にもサッと畳めるので特に座席位置は厳しく制限されていないようです。
上記の商品は、高さはそこまでないですが三角の尖ったところに土踏まずを置いて、グリグリしたりすることで足の疲れを取ったり、血行を促したりします。
画像:Amazon
ほかのお客様の快適性を妨げるとは具体的にどんな場合?
写真は商品の紹介ページのものですが、お子様が窓側から2人続けて使っています。
これはOKなの?窓側しか使っちゃダメなのでは?
と思う方もいらっしゃるかと思います。
日本航空や全日空の条件のところにも「原則として」窓側、中央真ん中席のみと記載されていますが、この原則として、、、というのはいつも厄介ですよね。
この理由につきましても詳しく説明します。
またこの図。
Aにお客さまがいて、もしBの人がこの商品を使っていたとしたら、Aの人が通路に出たい、お手洗いに行きたい、と思った時は、いちいちベッドを片付けたり、無理な体勢でベッドを跨いでもらったりしなければなりませんよね。
これでは「3.ほかのお客さま(Aのお客さま)の快適性」を妨げてしまいます。
しかし、写真のようにAとBのお子様たちが兄妹だった場合はどうでしょう?
基本的にAのお姉ちゃんが通路に出たかったらBの弟の上を通ったりして、容易に出られると思いませんか?(それに身内なので「ほかのお客さまの快適性」というほどではないですね)
という訳で、この辺は少し曖昧なので「原則として」という言葉を使っている訳です。
基本的にはご家族やお連れさまならOKとしていることが多いようです。
だとしても、例えば大きなお子様2人で、通路に出る時には前の座席をつかんでよじ登らないと通路に出られないような場合は、前の座席の人に迷惑がかかってしまう可能性があり「3.ほかのお客さまの快適性を妨げる」に該当してしまいます。
ここは現場のCAさんが見た時に「ほかの方の迷惑にならないだろう」と思ってもらう必要がありそうです。
さらに座席の位置は守っていたとしても、座席の広さや前の座席との間隔は、飛行機の種類や座席によっても違う場合もあります。
もし、グッズのせいで前の座席の人がシートのリクライニングを倒せなくなってしまう場合には「3.他のお客様の快適性を妨げる」になりますし「1.(機体や設備を傷つけたり、)動作の妨げになる」にも該当します。
OKなグッズでも使い方によってNGになる場合もある
下にタイヤがついていたり安定性が悪く通路にコロコロ転がっていってしまうようなグッズですと、それは大変危険です!
調べたところ、JetKidsには座席に固定するためのストラップがついているので、コロコロ転がってしまうようなことはないと思いますが、例えばCAさんの前でお子様がコロコロ転がして遊んだりしていたら「危険だわ!」となることもあり得ます。
また、JetKidsをコロコロ転がしながら機体の壁にガンガンぶつかっているような場合には、機体の設備を傷つける恐れもあるので使用禁止と判断されてしまうかも知れませんので気を付けてくださいね。
フットレスト使用時の正しいシートベルトの装着位置とは?
冒頭で紹介した日本航空のフットレストなどの便利グッズの使用条件には「正しい位置でシートベルトを装着のうえご利用ください」と明記されています。
機内では、乱気流による突然の揺れに備えて、シートベルト着用のサインが点灯していない時でも座席では常にシートベルトを着用する必要があります。
「乱気流」と言われてもピンとこないかも知れませんが、ひどい時はシートベルトをしていないと天井まで飛び上がって天井に頭をぶつけたり、さらに落ちてきて床や座席にお尻を打ったりして怪我をしてしまうこともあるくらいです。
エコノミークラスのシートでは、基本的には座位(座った体勢)で腰の位置にシートベルトを装着できるような構造となっています。
上のようなフットレストタイプのものですと、普通に腰の位置にベルトを装着することができると思います。
一方、JetKidsはベッドのようになるので混乱しがちなのですが、こちらもシートベルトは腰の位置にする必要があるのです。
↓↓このような感じ。
せっかくベッドのようになるのでお子様を横にして寝かしてあげたいですが、その場合お子様の大きさによってはシートベルトが首周りに来てしまうことがあります。
首周りにベルトをしている時に乱気流に巻き込まれでもしたら、お子様の首が締まってしまい、大変なことになります!
このような観点から、使い方によっても乗務員がNGを出す場合もありますので、このような可能性を理解した上で気をつけながら利用するようにしましょう。
テーブルから吊るすタイプは使用禁止のことが多い理由
床に置くタイプとは別に、テーブルに紐を引っ掛けて足を吊るして使うタイプのフットレストがありますが、こちらのタイプは使用が禁止されていることが多いです。
↓↓
画像:Amazon
ここまで読んでくださった皆様なら理由はお分かりになると思いますが、
①まずテーブルが壊れてしまう可能性大!
飛行機の備品は頑丈に作られているとは言え、大人の足を支えるために作られたものではないので使い方によってはテーブルが壊れてしまうかも!!
飛行機の備品は皆さんが思っている以上に高いのです。
テーブルのネジひとつにしても安全性や耐久性を考慮されて飛行機専用に作られているのでホームセンターで買ってくるという訳にはいかないのです。
②前の人に迷惑?
前の座席の背もたれに足の体重を掛けているのと同じことですので、ちょっとでも動くと前の人の座席に振動が伝わってしまいます。
後ろの人の足が当たる、蹴る、PC打ち込んでる振動、とか、、、前の座席の人が後ろに対してクレームすることは大変多いです。時にはお客様同士の喧嘩に発展することも!
公共の乗り物なので多少は仕方ないと思いますが、先ほどの床置きタイプのフットレストやJetKidsにしても、伸ばした足をバタバタさせたり、前の座席にぶつかったりしている場合にはNGになるかも知れませんので、気をつけましょう。
③足を引っ掛けて転びそう!
お食事の後のお休みの時間帯は、機内は暗くなってしまいますので足元は見えにくくなります。
座席の下に置くものはどれでも可能性がありそうですが、床置きタイプはいかにもそこに置いてあるので転ぶ前に気づきそうですが、こちらの商品は通路に出ようとした時に後ろ側の足が引っかかったりしそうです。
飛行機の快適グッズとして売られていることもあるようですが、さまざまな観点からテーブルに吊して使うタイプは避けた方が良いでしょう。
CAによって対応が違う?前回は大丈夫だったのに!のクレームも多い
CAは、未然に危険なことを防がなければならないので、いろいろな要素を加味して個々の事例を判断しています。
「前回乗った時は大丈夫だったのに!」
と、フットレストに限らず、同じ航空会社なのに乗務員の判断が一定ではないことでお客様のクレームになるケースは少なくありません。
しかし、快適グッズなどの機内での使用可否は、その日の飛行ルートの情報(乱気流が多いなど)、フライトの混雑具合、お客様の年齢や体格、周りのお客様の様子など、いろいろな要素を総合して自分の経験から判断しています。
自分だけでは判断がつかないような場合には、同僚に聞いたり、コックピットにいるパイロットに指示を仰ぐこともあります。
「前回乗った時は大丈夫だったのに!」と怒りたくなる気持ちもわかりますが、現場のCAさんがNGと判断した理由にも耳を傾けてみてください。
現場のCAさんが使用禁止と判断したにも関わらず使用を続けることは「機内迷惑行為」に該当する場合もありますので「だめです」と言われたら素直に従いましょう!
たまに1人のCAを捕まえて、ずーっとクレームを言い続けるお客様がいらっしゃいますが、度が過ぎると機内迷惑行為ととらえられて次からその航空会社を使えなくなったり、ひどい場合には到着地で警察を呼んだりする場合もあるので、気をつけてくださいね!
→機内迷惑行為でどんな場合に警察を呼ばれてしまうのか知りたい方はこちら(別記事)
飛行機フットレストの代用品は?
フットレストは空気で膨らませたり折りたたんだりと、軽量で小さくなるものが人気でおすすめですが、飛行機には年に数回乗るだけなので、わざわざ購入するのも…という方もいらっしゃると思います。
そこでCAの経験から代用品になるようなものをいくつかピックアップしてみました。
機内持ち込み用のスーツケース(キャリーケース)
スーツケースが機内でベッドになる「JetKids」はお子様専用の商品でしたが、機内で足置きとして使うだけなら普通のスーツケースが使えます。
ただ、機内持ち込みのスーツケースであっても前の座席の下に入らない場合は、上の棚に入れる必要があるのでSSサイズのものがおすすめです。
離着陸時にはしっかりと座席の下に収納し、お休みになる時にはフットレストのように足元に置いてもいいですし、少しだけ前の座席から出して足を乗せるように使ってもOKです。
スーツケースに直接足を置くのは質感や気持ち的にちょっと、、、という方は、布やクッションでカバーして使うと良いですよ♪
(私も国際線でも短い移動の時は結構この方法で代用しています)
小さなサイズのスーツケースはちょっとした旅行やビジネスなどの移動にも使えるので1つ持っておくと便利です。
キャンプ用コンパクト折りたたみ椅子
私が海外に必ず持っていくものの一つです。(この他にレジャーシートとビーサンは必ず持っていく)
基本的にはこちらも「床置きタイプ」となるので、先ほどの窓側もしくは中央の真ん中席で使えるグッズとはなりますが、足元をふさぐというほどではないですし、隣の人が席を立つ時にはサッと畳めるので、そこまで厳密には言われない(言わない)気がします。
また機内で足置きの代用品として使えるだけでなく、小さく軽量なので旅先を巡る時もいつもカバンに入れて、観光地で一休みしたい時などもサッと出して使えます。
フードトラックでご飯を買った時も、これとレジャーシートでどこでもピクニック可能♪♪レジャーシートに座れば、椅子は食べ物を置くテーブルに早変わり♪
足裏マッサージボール
足を置くフットレストの代用品という訳ではないかもですが、足の疲れやむくみ対策におすすめです。
さらに、足だけでなく肩や首周り、背中のあたりに入れて座席の背もたれにグッと押しつけたりすると気持ち良いです。
圧着ソックス(メディキュット)
座席の位置や座席の形状などの理由でこちらの記事で紹介したようなフットレストが使えない場合は、リンパケアのできる圧着ソックスを利用することで血行を促進し、むくみの解消になります。
画像:Amazon
いずれにしても、ずっと同じ姿勢でいると足だけでなく首周りや背中の筋肉も凝り固まってしまい、エコノミー症候群の原因にもなります。
座ったままでも定期的に足を回したり、肩を回したり、マッサージするようにしましょう♪
エコノミークラスがファーストクラスになる裏技!
フットレストが使えるのかどうか?と質問をもらうきっかけになった記事です。
元CAならではの裏技で快適に過ごす方法を解説しています♪
ぜひ参考にしてみてください(^-^)
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