皆様、こんにちは!元CAのバンビです。
先日のパリのノートルダム大聖堂の火災のニュースでは、鐘塔が脆く崩れ落ちて行く映像は、世界中の人々に衝撃を与えました。
歴史的にも宗教的にも、フランスの人々やキリスト教の方達にとって、他の何ものにも代え難い象徴的な心のよりどころとなっています。
フランスのマクロン大統領は、今後5年以内の再建を表明し、世界中からの寄付や専門家たちによる会議などが開かれ、すでに様々な方面で再建への動きが始まっています。
では、今日の本題!
実はフランス各地にある「ノートルダム大聖堂」
「ノートルダム大聖堂」と言えば、今回一部焼失したパリの大聖堂が有名ですが、元々ノートルダムは、フランス語のNotre Dame (私たちの貴婦人=英語ではOur Lady)という意味で、聖母マリアのことを指します。
Notre Dame(聖母マリア)に捧げるために建てられたゴシック様式の大聖堂(ノートラダム大聖堂=Cathédrale Notre-Dame)は、実は世界各地に点在していて、多くが世界遺産に登録されています。
パリの「ノートルダム大聖堂」は今後しばらくの間は再建のため閉鎖され、見学などが出来なくなってしまいますが、建築様式、宗教的、歴史的と言う意味では、パリに負けず劣らず、フランス各地で人々に愛され尊重される「ノートルダム大聖堂」がまだまだ沢山あるのです!
今回は、パリからの電車などで移動可能な世界遺産の「ノートルダム大聖堂」をパリからの行き方も含めてご紹介します♪♪
【ランス】
シャンパーニュ地方、ランスにある「ノートルダム大聖堂」は、13~15世紀にかけて建築されました。
ルイ1世を初め、フランス歴代の王様がここで戴冠式を行っている、パリの大聖堂と並んでフランスの人々にとっては重要な教会です。
イングランドとの百年戦争では、フランスの英雄、ジャンヌ・ダルクがシャルル7世と共にここを訪れて戴冠式を挙げ、シャルル7世は王に即位しています。
ランスのノートルダム大聖堂は、フランス革命の動乱や大1次世界大戦の戦火で幾度となく破壊と修復を繰り返して来た歴史を持つ教会でもあります。
1991年には、市内にあるサン=レミ旧大修道院、隣接するトー宮殿と共にユネスコ世界遺産に登録されています。
Par bodoklecksel — Travail personnel, CC BY-SA 3.0, Lien
様々な人の手による修復は現在も続く中、フランスの有名画家、シャガールによるステンドグラスは、全体に溶け込みつつもシャガールの世界観が表現されていて一際目を惹きます。
Par Peter Lucas — Travail personnel, CC BY-SA 3.0, Lien
★WEBサイト★
https://www.cathedrale-reims.com/
★パリからの行き方★
TGVで行くと1時間で行けちゃいます♪♪
【シャルトル】
パリから国鉄TERで約1時間半、南西に下った都市シャルトルにある「ノートルダム大聖堂」は、フランス国内において最も美しいゴシック建築の一つと言われています。
モンサンミッシェルやヴェルサイユ宮殿と時期を同じくして、フランスの中で最も早い1979年にユネスコ世界遺産に登録されています。
当初ロマネスク様式を基礎として1145年に建築が始まりましたが、約50年後の1194年に町全体の大火で右前方部分を残し、殆どが焼失してしまい、その後25年を掛けゴシック様式で再建されました。
そのため、正面から右側がロマネスク様式、左側がゴシック様式と異なる二つの尖塔が見られるのが特徴です。
左右で様式の違う尖塔↓↓
Par Dcconsta — Travail personnel, CC BY-SA 3.0, Lien
★WEBサイト★
http://www.cathedrale-chartres.org/
★パリからの行き方★
【アミアン】
パリから国鉄TERで北に1時間強の場所にあるアミアンは、運河や水上庭園の美しさから「北の小さなヴェネチア」と称される地域です。
アミアンの町にそびえるノートルダム大聖堂は、フランスにある大聖堂の中で最も大きく、全長約145m、幅約70mで、面積はパリの大聖堂の2倍以上あります。
また、ヴォールト(内部の天井)の高さは約42mで、こちらもフランスで一番の高さを誇ります。
1981年にユネスコ世界遺産に登録されています。
Par Patrick Despoix — Travail personnel, CC BY-SA 4.0, Lien
細部の至る所に細かい彫刻が施されています。
↓↓正面の中央扉上部(ポルタイユ)に施されている「最後の審判」の彫刻。
Par Codex — Travail personnel, CC BY-SA 3.0, Lien
★WEBサイト★
http://www.cathedrale-amiens.fr/
★パリからの行き方★
【ストラスブール】
パリからTGVで東へ約2時間、ライン川を挟みドイツと国境を接する町、アルザス・ストラスブールにあるノートルダム大聖堂。
まずは、すぐに気づく外観に特徴的なことが2つあります。
一つ目は、バラ色とも称される赤茶の外観。
これは、地元ヴォージュ山脈から切り出された砂岩で作られてためです。
2つ目は、尖塔が片方しかないこと。
元々は左右に2つ造る計画がされていましたが、この辺りの地盤が弱いため、一つしか作れなかったと言われています。
Par Diliff — Travail personnel, CC BY-SA 3.0, Lien
高さは142mで、1647年から1874年まで世界一の高層建築でした。
文豪ヴィクトル・ユーゴーは「巨大で繊細な驚異」と評したそうです。
ストラスブールの大聖堂は、「ストラスブールの旧市街(ストラスブールのグラン・ディル)」の一部として、1988年にユネスコの世界遺産に登録されています。
聖堂内にある天文時計は、中世に作られ当時は「ドイツの七不思議の一つ」と言われていたそうです。
時計の天文的機能は非常に正確で、時を刻むだけでなく、うるう年や分点(赤道と黄道が交わる点)、月の満ち欠けやいくつかの惑星への距離などを計算できるそうです。
また、毎日12:30にからくりが動き出しますが、からくりを見るのには、チケット(2€)が必要でちょこっと動くだけなので、あまり評判がよくありません。(からくりの時間帯はチケットを持った人しか入れなくなる)
Par stefano Merli from legnano, italy — Strasbourg - 2016, CC BY-SA 2.0, Lien
美しいゴシック様式の彫刻が施されている「天使の柱」は天井をこの1本の柱で支えているそうです。
Par Coyau / Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0, Lien
下の像は「天使の柱」のライバルが造ったと言われ「一本の柱で天井を支えられる筈がない」と、塔がいつか崩れ落ちるのを待っているのだとか...
Par Claude Truong-Ngoc / Wikimedia Commons - cc-by-sa-3.0, CC BY-SA 3.0, Lien
★WEBサイト★
http://www.cathedrale-strasbourg.fr/
★パリからの行き方★
以上、本日は
パリ以外にもある世界遺産の「ノートルダム大聖堂」
をご紹介しました!
今回ご紹介した以外にもノートルダム大聖堂と呼ばれるものは、フランス国内、そして世界中(フランス語圏)に点在しています。
「パリのノートルダム大聖堂」の火災は不幸な出来事でしたが、歴史を見ると殆どの大聖堂で、それぞれの時代に焼失や破壊、そして修復を繰り返してきたことが分かります。
パリの大聖堂は再建に向けて、尖塔のデザインはどうするのか?資材はどうするのか?など、早くも白熱した議論が交わされていますが、未来の人にとっては、我々がこれから作るものが全て「歴史」となることを考えるとワクワクして来ます!
(^-^)
ちぐはぐ?とも言える左右非対称の「シャルトルのノートルダム大聖堂」は、長い年月を掛けて景観に溶け込み、今日では非対称であることがこの教会の特徴となっています。
当時の人たちの「左右違う様式で造るなんて有り得ない!」と言う声が聞こえる気がします。笑
Par Dcconsta — Travail personnel, CC BY-SA 3.0, Lien