元CAバンビのずぼら日記

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パリ行きのRER(電車)で事件発生!治安は本当に悪いの?

皆様、こんにちは!元CAのバンビです。

今回は、人種も国籍もバラバラ、話す言語もバラバラ、たまたま同じ電車に乗り合わせた男女6人が、協力し合い一丸となって困難に立ち向かう
愛と奇跡の感動のストーリーです(笑)

では早速「弾丸パリ旅行記」3日目(6)

この旅行最大のピンチ!帰りの電車で事件発生!

をお送りいたします!

 

 

 

パリ郊外のアウトレットモール「ラ・ヴァレ・ヴィラージュ」でのお買い物を終え、サンドウィッチを頬張りながら帰路についた私たちは、来た時と同じように「ヴァルドーロップ」の駅からRER A線でパリに向かいます。ホームはディズニーランドとは反対方面なので、ミッキーの付いてない方です。*1

RERの改札はこんな感じになっています。

RER gate

アウトレットでGETした「リモワのスーツケース」*2本来なら左側の黒いピラピラが付いているスペースから通すべきだったのですが、この空間に気づかず。無理やり人間と一緒に右側の入り口から通そうとして扉が閉まってしまい、人は改札の中、スーツケースは改札の外。の状態に...

ゲートが高くて上からは取れない。オロオロしていると、親切なイケメンフランス人が気付いてヒョイっとあの空間から渡してくれ、事なきを得ました。なんと素敵なお方♡

 

このすぐ後、私たちは今回の旅行での最大の事件*3が発生する
「運命の電車」
に乗車することになるのです。

パリ行きはディズニー帰りとアウトレット帰りのお客様で、夕方からは、かなり混み合うらしいけど、時間はまだお昼の1時半。 人はまばらで同じ車両には、私たち2人の他には中国人2人、黒人の男性、白人の女性の6人だけ。
(以上が今回の登場人物)
パリに向けて出発したのですが、すぐ次の駅で止まってしまい一向に動く気配がありません。

暫くしてアナウンスが流れたのですが、フランス語なので意味がわかりません。

 

突然、大きな黒人の男性が大声で何か話しかけてきます。

 

「??」

少し興奮した口調なので正直恐怖を感じつつ、キョトンとしていると、今度は近くに居た白人の女性が英語で「全員降りて下さいと言っている」と。

実はRERは治安の悪い地域を通ることもあって、結構事件も起きたりしているのです。(フランスの日本大使館のページでも被害報告が上がっている→フランス安全情報|在フランス日本国大使館 )

この男性と女性がグルになって私たちを騙そうとしているのかな?なんて疑ってたのですが、車内アナウンスも入っているし、ホームを見ると他の車両からも人が降りてきているので、とりあえず、この2人に従うことに。同じ車両にいた中国人2人も私たちに続く。そして、なんだか分からないけど、6人の塊になってホームでことの成り行きを見守ります。

RER platform

ここで登場人物と状況を簡単に。

ダニエル(黒人男性)→フランス人。おそらく地元の学生、20代前半くらい。フランス語しか話せない。
キャサリン(白人女性)→イギリス人。30代かな。フランスで以前仕事をしていたことがあり、フランス語が少し話せる。キャリアウーマン風。
(ちなみにダニエルとキャサリンは全く面識がなく、たまたま乗り合わせただけ)
リンとメイファン(中国人2人)→中国の広州からの観光客。我々と同じようにモールに行った帰りで小さいスーツケースを持っている。リンは英語を話す。メイファンは中国語のみ。
バンビとダーリン(私たち日本人2人)→私は仕事柄、一応英語は話せる。ダーリンは中学生レベル。

 状況は

キャサリンはフランス語は少しわかるけど、アナウンスを聞き取れる程ではない。
1.まずはダニエルがアナウンスを聞き取る
2.簡単なフランス語でキャサリンに伝える
3.キャサリンは英語で私&リンに伝える
4.私はダーリンに日本語で、リンはメイファンに中国語で伝える

毎回アナウンスが流れる度にこの伝言ゲームのプロセスを踏まなければならない。

このプロセスによると、私たちが乗った電車は、この駅に入ってくる時に線路の分岐を間違えてしまって、反対側のホームに入って来てしまったらしい。

えーーっ!

それって、タイミングが悪かったら、
正面衝突やんっ!!!!

ダニエルが言うには「良くある」だって!!!(正面衝突が良くある、ではなくて、この状況が!と言うことです!)

全くもって未だに信じられないんだけど。っていうか、日本でコレ起こったら恐らく大問題でしょうね。ほら、良く見るとホームはミッキー側。(ディズニーと反対方向に乗ったはずなのに!)

mickey

乗ってきた電車は急遽ディズニーランド側に引き返す。そしてアナウンスは「次の電車が来るまで同じホームで待て!」と。

「ん?でも、このホームで待っていても反対側に行っちゃうんじゃないの?」とダーリン→私→キャサリン→ダニエル。「だけどアナウンスでそう言っている」byダニエル→キャサリン→私→ダー。そう言われちゃうと結局フランス語だから分からないので、とりあえず今はこの人たちにくっついているしかない。

 

 

不安な状態で無口のまま10分が過ぎ、20分が過ぎ...だんだん沈黙に耐えられなくなって英語のわかるキャサリンとリンと私の3人は、どこから来た?とか、そこに行ったことある!とか、仕事は何?と盛り上がる。ダーリンとメイファンは横で愛想笑い。ダニエルは、アナウンスを通訳してくれる以外は、ほぼ無口。スマホで状況を調べてくれていたけど、詳細はわからないとのこと。 ホームには他の乗客もまばらに居るんだけど、何故か我ら6人はずっと一緒。全く知らない人たちなのに。

何が起こっているか分からないこの状況で、この方たちが一緒に居てくれたことが本当に救いでした。彼らもそうだったのかも知れない。こうして、約1時間が過ぎた頃「アナウンスでパリ行きのホームで待て。と言っている」と、ダニエル→キャサリン→我々→連れ。

こちら側で待っていた他の乗客たちも慌ててパリ行きのホームに移動し始める。

ホーム端にある階段を上ると改札がある。RERのシステムでは一旦改札の外に出ると、その切符は無効になってしまい、反対側の改札には入ることができない。よく見ると、下に少し隙間がある。背に腹は変えられない。一人ずつ順番にそこから這うようにして反対側の改札に入り込む。

そうこうしているうちにパリ行きの電車が来てしまった。1時間も待っていたから、みんな早く乗りたいのは同じ。だけど、私たちのリモワが引っかかってうまく通らない。

「どうぞ、みなさん、先に行って」

と言ったんだけど、なんと男女6人運命共同体!みんなが普通に友達かのように手伝ってくれて、その間にパリ行きの電車は出発してしまったのでした。

「ごめんなさい。私たちのせいで...」本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。だけど「大丈夫!動き出したから、きっとすぐ次の電車も来るよ!」ってみんな笑顔(^-^)

あー、なんて良い人たちなの!!!

10分くらいして電車が来て、本当は知らない人達だから乗車位置とかどうすれば良いのかなぁ?なんて下らないことを考えながら乗り込む。「こっち、こっち」とダニエルに引っ張られ、空いている席に案内された。向かい合わせのボックス席みたいになってて、私たちの前にダニエル、離れたボックス席にキャサリンとリンとメイファン。

席についてダニエルに「merci beacoup!!(ありがとう)」は言えたけど、キャサリンが近くに居ないので、それ以上の会話ができない!!!

こんなに良くしてもらっているのに、気の利いたことを言えない!!!

分厚い言葉の壁。

実はダニエルはフランス版Suicaみたいな鉄道のICカードを持っていたから、本当はみんなのことを待たずに、自分だけ改札を通って、前の電車に乗ることもできた。たまたま10分後にすぐに電車が来たけど、その時点では次の電車がすぐに来るなんて保証はどこにもないし。本当にこの人、良い人だ!!

何とかして、お礼の気持ちを伝えたい。

言葉では伝えられないけど、伝えたい。

そんな時に機内でたまにお客様に感謝の気持ちを伝えるためにしていることを思い出しました。

 

 

日本人にしかできない技。

 

日本人だからこそできる技。

 

 

photo by pixabay

 ジャーン!これです!

 おもむろにカバンの中から、ホテルでもらったぺらぺらのパリの地図を取り出してビリビリと四角に切る。ダニエルは興味津々で見ている。今こそ客室乗務員時代に培った「鶴の早折り」の技が役に立つ時が来たのです!!サササーっと折り上げて

Voila! C'est une Origami japonaise.

(ほんの少しだけ勉強したフランス語)This is a pen!のレベル。「どうぞ。これは日本の折り紙です」って言っているつもり。違うかも知れないけど。フランス語は名詞に女性名詞や男性名詞などの性別があって大変わかりにくいです。しかも、折り紙って女性?男性?知らん!通じれば良いんです!!

無口なダニエルは小さい声で「ワオ!メルシィ、メルシィ!」と言って掌に乗せた折り鶴をマジマジと色んな角度から舐めるように見ています!良かった!言葉はなくとも感謝の気持ちは通じた(^-^)イエーイ!!

あと3人分も日本の客室乗務員秘伝の「鶴の早折り技」で折りあげて、キャサリンとリンとメイファンにプレゼントしたのでした。

 

 

最高の出会いをしたけど、それぞれバラバラの駅に降りて行き、最後、ダニエルと私たち。なんと降りる駅が同じ。本当はオペラ座に直で行く予定だったけど、もう遅くなっちゃったので、とりあえずはホテルに戻ることにしたのだ。シャトレ・レアルでダニエルと一緒に降りて「Merci beacoup!!」って言いながら、メトロへの乗り換え先を探してたら「どこまで行くの?」って。「サン=ジェルマン」

「じゃあ、メトロに乗り換えないといけない。メトロの乗り口まで一緒に行ってあげる」フランス語分からないけど多分そんな感じ。そう言うと、ダニエルはメトロの乗り換えのところまで一緒に来てくれたのです!!*4

別れ際、私もダーリンもダニエルと固く手を握り合って、握手して別々の方向に向かいました。きっと、もう二度と会うことはないんだろうけど、本当に最高の出会いでした。

旅ってやっぱりいいよね!

 

 

長い文章を読んで頂き、ありがとうございます!

このブログは基本、旅行記です。
元CAの目線から観光地、お買い物、美味しいお店なども紹介しています。
お得な情報なども載せてますので、ガイドブック兼、読み物として&ぜひパリの旅にお役立て頂ければ幸いです❤︎(^-^)

 

*1:脚注(アウトレットまでの行き方は→こちら

*2:

「ラ・ヴァレ・ヴィラージュ」でお買い物の様子は↓↓

www.bambi.red


*3:後にこの事件は「最大」から「2番目」に降格するのですが(笑)そこはまた今度。

↓↓
続き書きました。本当の最大のピンチはこの後でした!
お時間あったらこちらもぜひ〜

この旅行最大のピンチ!元CAなんと飛行機に乗り遅れる(前編)

この旅行最大のピンチ!元CAなんと飛行機に乗り遅れる(後編)

*4:レアルのRERからメトロの乗り換えはちょっとややこしいです。看板通りに行けば大丈夫ですが、イメージとしては大手町と東京駅みたいな。だいぶ時間かかります。